2026年度第1回災害気候セミナー

投稿者: | 2026年5月15日

2026年度の第1回災害気候セミナーを、5月19日(火)の13:00〜14:00にオンラインで開催します。

  • 講演者1:齋藤亜紀(M1)
  • 講演タイトル:随伴法による生態系および大気海洋結合系の初期状態とモデルパラメータの同時推定
  • 講演要旨
    • 本研究では生態系モデルと大気海洋結合モデルの2つの非線型モデルに対して、変分法データ同化を適用して状態変数の初期値とパラメータの同時推定を行った。変分法データ同化では、コスト関数の勾配を計算するために随伴モデルが用いられる。一般的に、随伴モデルは接線型モデルの転置として説明されることが多いが、Lawson et al. 1995 は線形化せずに非線型モデルから直接作成することも可能であると提唱した。この先行研究は、生態系の被食捕食関係を示す非線型モデルを対象にして良い結果を得ている。本研究では、別の非線型モデルでも同様の随伴モデル作成法で同時推定が可能なのかを検証した。
  • 講演者2:山﨑祥哉(M1)
  • 講演タイトル:2025年の梅雨期の対流圏中層における大規模温度移流の特徴
  • 講演要旨
    • 2025年の梅雨は例年より早く梅雨入り、梅雨明けがあり、例年と比べてかなり早かった。本研究ではJRA-3Qを使用して、2025年の梅雨の早期化の原因と中層の大規模場の経年変化を明らかにする。梅雨の形成には、対流圏中層の偏西風ジェットに伴うチベット高原からの大規模温度移流が重要な役割を果たしている(Sampe and Xie 2010)。2025年の梅雨について解析をした結果、典型的な温度移流は弱く、南からの暖気輸送が強かった。また、経年変化についての解析も行った結果、近年上昇流における大規模な力学的強制に対する対流活動の寄与率が増加しており、中層の水蒸気量も増加していることが確認された。このことから地球温暖化により梅雨の降水の性質が変化している可能性がある。