第5回の災害気候セミナーを、11月10日(火)の13:00〜14:00にオンラインで開催します。
- 講演者1:山﨑祥哉 (M1)
- タイトル:2025年6月の記録的に早い梅雨明けの力学的要因
- 要旨:
- 2025年の日本における梅雨は、多くの地域で異例の早期梅雨入り・梅雨明けを記録し、少雨傾向を示す特異な経過を辿った。本研究ではJRA-3Q再解析データを用い、この記録的に早い梅雨明けをもたらした力学的要因について検討した。梅雨前線の形成および維持には、対流圏中層の偏西風ジェットに伴うチベット高原からの大規模温度移流が主要な役割を果たす(Sampe and Xie 2010)。2025年は偏西風ジェットの北上時期が梅雨期全体を通して早く、梅雨明け時のジェットの位置は平年の梅雨明け時と同等であった。さらに、NPSHインデックス(Lu 2001)や対流ジャンプ(Ueda and Yasunari 1996)に着目した解析においても、これと整合的な結果が得られた。以上の結果は、2025年の早期梅雨明けが単なる一時的な気候の揺らぎではなく、梅雨気候システム全体の季節進行が前倒しになったことで生じたことを示唆している。
- 講演者2:瀧川佳孝 (M2)
- タイトル:オーストラリア内陸北東部における3月豪雨をもたらす要因
- 要旨:
- オーストラリアでの雨季は例年12月から3月であり、北部沿岸における降水量はこの期間に非常に多くなる(Suppiah 1992)。しかし、2025年3月には、北東部の内陸において豪雨が発生し、3月としては1900年以来の最大降水量を記録した(オーストラリア気象局 2025)。本研究では、内陸北東部における豪雨事例を対象にしたコンポジット解析を行い、同地域に豪雨をもたらす要因の特定を試みた。その結果、豪雨発生時には、内陸部における低気圧偏差や東海上の高気圧偏差、および北風の流入といった特徴とともに、水蒸気フラックスの顕著な収束が生じていることが明らかになった。本発表では、渦度と水蒸気フラックスの収支解析を通して、これらの発生・強化をもたらした要因について議論する。
