2025年度の第1回災害気候セミナーを4月18日(金)の12:00-13:00にオンラインで開催します。
- 講演者:瀧川佳孝(M1)
- 講演タイトル:「東オーストラリアにおける12月の降水量変動に及ぼす気候モードの影響」
- 講演要旨
- エルニーニョ現象が発生すると、12月の東オーストラリアの降水量は減少する傾向があるが、2023年12月は強いエルニーニョ現象が発生したにもかかわらず、東オーストラリアの降水量は平年よりも多かった。Arguez et al.(2024)によると、このような降水量変動が発生したのは正の南極振動(SAM)が原因となった可能性があり、本研究では実際に正のSAMが2023年12月の東オーストラリアの降水量増加に影響したのかを明らかにすることを目的として、統計解析を行った。その結果、正のSAMが発生すると、東オーストラリアの12月の降水量は増加する傾向があることが確認された。また、2023年12月においては、正のSAMによって、低緯度からの強い水蒸気フラックスの流れが発生したことによって、東オーストラリアの降水量が増加したと考えられることがわかった。