京都大学防災研究所一般研究集会2022K-05

「大気海洋結合系の変動・変化と広域・持続的な異常天候」

異常気象研究会2022・第10回観測システム・予測可能性研究連絡会

2022年12月1日(木)午後~2日(金)午前

京都大学 宇治キャンパス きはだホール

本研究集会は,異常気象の実態把握,およびメカニズムや予測可能性の解明,さらに地球温暖化や気候変動と異常気象との関連を明らかにすることなどを目的にしています。そのため,広く異常気象や長期変動のメカニズム,データ同化やモデルに関する発表も歓迎します。多数のご参加をお待ちしております。

本研究集会は,第18回「異常気象と長期変動」(異常気象研究会)で,第10回観測システム・予測可能性研究連絡会、新学術領域研究「変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot」との共催です。

講演者には,後日4ページほどの講演要旨の提出をお願いします。

目的

日本付近の黒潮・黒潮続流や縁辺海は大気海洋相互作用が活発な領域であり,顕著な気象の発現に密接に結びついている。気候は年々変動を繰り返しながら,地球温暖化の進行により変化しつつある。近年,比較的広い領域に,持続的に影響して大きな被害をもたらすような豪雨・豪雪,猛暑の事例が相次いでいる。本研究集会では,このような近年の異常天候について大気海洋相互作用の観点から分析するとともに,観測・予測手法について検討を行う。

主催

  • 見延庄士郎(北海道大学大学院 教授)

共催

  • 向川均(京都大学大学院 教授)
  • 廣岡俊彦(九州大学大学院 教授)
  • 渡部雅浩(東京大学大気海洋研究所 教授)
  • 榎本剛(京都大学防災研究所 教授)

共催

スケジュール

  • 講演申込締切 2022年10月28日(金)
  • 口頭発表の可否の通知 2022年11月4日(金)頃
  • 講演要旨締切 2023年1月27日(金) 作成要領

プログラム

12/1

趣旨説明 見延庄士郎 12:50~13:00

セッション1「台風・低気圧」座長 藤原圭太 13:00~14:30

  1. 永山聡一朗・釜江陽一・見延庄士郎 日本付近における二つ玉低気圧と水蒸気輸送の関係
  2. 村田竣亮・榎本剛 熱帯低気圧に類似した地中海低気圧メディケーンApollo
  3. 山口江聖・森正人・時長宏樹 台風生涯最大強度の北偏化と地球温暖化の影響
  4. 中下早織・榎本剛 温帯及び熱帯低気圧に関する成長モードの比較
  5. 藤原圭太・竹見哲也・森信人 地球温暖化時の2018年台風21号(Jebi)の上陸直前の強度・構造変化
  6. 本田明治・川瀬宏明 本州日本海側に大雪をもたらす日本海寒帯気団収束帯と北海道西岸小低気圧

セッション2「冬の天候」座長 菅野湧貴 14:45~16:15

  1. 八巻俊則・松枝未遠 2021年2月テキサス寒波の予測可能性
  2. 成川陽路・釜江陽一 地球温暖化に伴う北海道内陸部における冬季降雪量の変化
  3. 竹端光希・立花義裕・安藤雄太 オホーツク海の海氷変動に影響を及ぼす熱帯海洋からの遅延効果
  4. 安藤雄太・立花義裕 2019/20年の中緯度全体の異常な暖冬をもたらした中緯度の海面水温
  5. 菅野湧貴 北極寒気ドーム崩壊イベントの解析
  6. 立花 義裕・本田 明治・西川 はつみ・川瀬宏明・山中 晴名・畑大地・柏野祐二 日本海観測が示すJPCZに及ぼす対馬暖流の影響

セッション3「熱波・高温化」座長 林未知也 16:30~18:00

  1. 天野未空・立花義裕・安藤雄太 近年において災害級の冷夏が発生していない理由とは?
  2. 北出拓海・釜江陽一・松枝未遠 極東域におけるブロッキング高気圧を伴う熱波の地球温暖化による変化
  3. 土田耕・望月崇・川村隆一・川野哲也・釜江陽一 CMIP6 piControl実験における全球平均地表面温度の変化と大気上端での放射応答のラグ関係についての要因分析
  4. 竹村和人・南敦・佐藤均 2022年6月下旬~7月初めに記録的な高温をもたらした大気の流れの特徴
  5. 林未知也・塩竈秀夫・小倉知夫 日本周辺で1982年以降に生じた極端海洋昇温に対する地球温暖化の影響の統計的調査
  6. 山崎哲・寺崎康児・三好建正・野口峻佑 AMSU-A放射輝度観測同化インパクトの蓄積

12/2

セッション4「降水」座長 倉持将也 9:00~10:30

  1. 石井智・吉田聡 潮岬風力実験所におけるマイクロ波放射計を用いた降水に伴う水蒸気変動の特徴
  2. 倉持将也・植田宏昭・本田明治・高谷康太郎 令和3年8月の豪雨をもたらした熱帯–中高緯度間共鳴の力学機構の考察
  3. 松村伸治・堀之内武 2000年代における梅雨降水変動の特性変化とロスビー波束の東方伝播
  4. 小守 信正・山﨑 哲・吉田 聡 黒海・カスピ海周辺の熱的海陸コントラストに対する大気応答
  5. 安永数明 梅雨期における九州南部の降水の増加傾向について
  6. 小寺邦彦・向川均・Rei Ueyama・江口菜穗・原田やよい 2022年8月初旬の韓国中部、北日本豪雨に関する大規模循環場

セッション5「成層圏・テレコネクション・モデル」座長 塩崎公大 10:45~12:15

  1. 中村遥暉・野口峻佑・廣岡 俊彦 2021年1月に発生した成層圏突然昇温に伴う対流圏循環場の変化
  2. 野口峻佑 南半球成層圏における極渦弱化イベントの統計的特徴とその熱帯循環との関係
  3. 原田やよい・木下武也・佐藤薫・廣岡俊彦 2021年1月に発生した北半球大規模突然昇温における惑星規模波束伝播の特徴
  4. 原航太郎・時長宏樹・森正人 Extreme El Niño による大気テレコネクションの変調
  5. 塩崎公大・時長宏樹・森正人 エルニーニョ発生時におけるWPパターンの励起メカニズムとインド洋の寄与
  6. 植田侑利・向川均・榎本剛 RBF法を用いた3次元球殻での地球流体熱対流数値実験

発表方法

対面での口頭発表を予定しています。

講演について

講演12分、質疑応答3分(時間厳守)

講演要旨について

  • 講演者の皆様にはアップロード先をご案内します。
  • 研究集会の報告書を作成しますので,ご講演の要旨を執筆していただき,2023年1月27日(金)までにご送付いただけますようにお願いいたします。
  • 報告書は京都大学学術リポジトリから公開されます。

「天気」報告記事

  • 「天気」に報告記事を掲載いたしますので,座長をお願いした方は各セッションの様子をお知らせください。講演者の皆様のご協力をお願いします。