2018年台風第7号と西日本豪雨

投稿者: | 2019年11月27日

榎本准教授が執筆した西日本豪雨(平成30年7月)に先行して接近した台風第7号に関する論文が日本気象学会のSOLAに掲載されました。

榎本准教授は異なる初期時刻からの予報実験を行い、台風の進路と西日本豪雨の再現性について調べました。台風が西にそれ発達しないと、大陸から伸びる暖かく湿った空気は日本海に広がり、梅雨前線は強化されず豪雨は発生しませんでした。台風が上空まで発達すると、台風の経路が正しく再現され、豪雨が再現されました。台風は暖かく湿った空気と冷たい空気を巻き込みながら、日本海を北東に進んだことで、温度や湿度の境目である梅雨前線を強化していることが分かりました。発達初期の予報では台風の発達が過小評価される傾向があることから、台風が発達した場合の経路や影響のシミュレーションを行うことを提案しています。

  • Enomoto, T. 2019: Influence of the track forecast of Typhoon Prapiroon on the Heavy Rainfall in western Japan in July 2018. SOLA, 15, 66–71, doi:10.2151/sola.15A-012.