異常気象と気候システム変動のメカニズムと予測可能性

 標記研究集会を下記の要領で開催します。本研究集会は,異常気象の実態把握,およびメカニズムや予測可能性の解明,さらに地球温暖化や気候変動と異常気象との関連を明らかにすることなどを目的にしています。そのため,広く異常気象や長期変動のメカニズム、データ同化やモデルに関する発表も歓迎します。多数のご参加をお待ちしております。[報告]

 本研究集会は,昨年に引き続き,毎年宇治で開催されてきた「異常気象研究会」とTHORPEX研究連絡会研究集会との共催です。
 なお,講演者には,後日4ページほどの講演要旨の提出をお願いします。

目的

 頻発する猛暑。多くの原発が停止しそれが続く状況において、電力が逼迫する夏の天候の中期的予測と将来の変化を知ることは日本社会のみならず国際社会にとって極めて重要である。冬の電力使用量が最大となる東北や北海道にとっては、豪雪などの冬の天候の予測も同様に重要である。猛暑や豪雪に代表される異常気象がなぜ起こるのか?そしてその予測精度はどうなのか?地球の気候システムの長期変動の仕組みを理解し、予測精度を向上させる理解を深めることを目的に、全国の大学・研究機関と気象庁の研究者を一同に集め、研究発表と討論を行なう。
主催:立花義裕(三重大学大学院生物資源学研究科 教授)
共催:向川 均(京都大学防災研究所 教授),余田成男(京都大学理学研究科 教授),木本昌秀(東京大学大気海洋研究所 教授),榎本 剛(京都大学防災研究所 准教授)

日時・場所

注意: 2日目は場所が異なります。
10/21 11:00〜17:45 京都大学宇治キャンパスきはだホール
10/22 10:00〜11:30 京都大学北部総合教育研究棟1階 益川ホール

10/21 AM

11:00〜12:00  セッション1「成層圏」 (座長: 水田亮)

  • 成層圏周極渦分裂現象の予測可能性: 2009年1月のアンサンブル予報実験 [スライド] [講演要旨]
  • *野口峻佑(京大 防災研)・向川均・黒田友二・水田亮・直江 寛明・納多哲史・藪将吉・吉村裕正
  • 成層圏突然昇温時のTTL内の力学過程の変化について−全球非静力学モデルデータの解析− [スライド] [講演要旨]
  • *江口菜穂(九大 応力研)・小寺邦彦・那須野智江
  • EOS/MLSデータに基づく成層圏・中間圏における半年周期振動の解析 [スライド] [講演要旨]
  • *大羽田剛史(九大 理)・飯田千尋・廣岡俊彦・江口菜穂
  • ユーラシアに寒波をもたらしたブロッキングと成層圏プラネタリー波の反射:2012年12月の事例 [スライド] [講演要旨]
  • *小寺邦彦(名大 太陽地球環境研)・向川均

10/21 PM

13:00〜14:15  セッション2「気候システム」 (座長: 森正人)

  • 近年の異常気象事例に対する温暖化の寄与(Event Attribution) [スライド] [講演要旨]
  • *今田由紀子(東大 大気海洋研)・塩竈秀夫・渡部雅浩・森正人・石井正好・木本昌秀
  • 南半球対流圏の気候トレンドに対する中緯度海洋前線帯の潜在的重要性 [スライド] [講演要旨]
  • *小川史明(東大 先端研)・西井和晃・中村尚・N.-E. Omrani・N. Keenlyside
  • 気候モデル中での海洋前線帯の気候平均降水帯への影響 [スライド] [講演要旨]
  • *西井和晃(東大 先端研)・中村尚
  • 大気再解析データで表現される大気境界層構造の海面水温データへの依存性 [スライド] [講演要旨]
  • *升永竜介(東大 先端研)・中村尚・宮坂貴文・西井和晃・谷本陽一
  • 北太平洋中緯度において2011年夏~秋に観測された顕著な暖水偏差の、
大規模大気循環応答の強制における重要性の評価 [スライド] [講演要旨]
  • *岡島悟(東大 先端研)・中村尚・西井和晃・宮坂貴文・吉田聡

14:30〜16:15  セッション3「冬季循環」 (座長: 宮坂貴文)

  • 地球温暖化による海洋大陸での上昇流弱化の日本付近の循環場への影響(冬) [スライド] [講演要旨]
  • 原田昌・*前田修平(気象庁 気候情報課)・平原翔二・村井博一・及川義教・安井壮一郎
  • 2012/2013年冬の大気循環場の特徴 [スライド] [講演要旨]
  • *吉田健二(気象庁 気候情報課)・田中昌太郎・大野浩史・竹村和人
  • 2012/13年の寒冬とAO・WPパターン・日本周辺の海面水温との関係 [スライド] [講演要旨]
  • *安藤雄太(三重大 生物資源)・小木雅世・立花義裕
  • 負のAO時における予測精度 [スライド] [講演要旨]
  • *南敦(気象庁 気候情報課)・高谷祐平・平井雅之・竹村和人
  • CMIP3マルチモデルアンサンブルで再現されたNAOとENSO/WPの関係性および,
ユーラシア大陸の積雪偏差がモデルの再現性に与える影響 [スライド] [講演要旨]
  • *中村哲(極地研/北大)・原政之・大鹿美希・立花義裕
  • 温位座標を用いた冬季東アジアにおける寒気流出過程の時間発展 [スライド] [講演要旨]
  • *庄司貴成(東北大 理)・岩崎俊樹・菅野湧貴・高谷康太郎
  • 特定温位面以下の寒気質量の南北半球間の比較 [スライド] [講演要旨]
  • *菅野 湧貴・岩崎 俊樹・庄司 貴成

16:15〜18:00 セッション4「夏季循環」(座長: 遠藤洋和)

  • 夏季東アジアにおける海陸熱的コントラストと大気循環の将来変化 [スライド] [講演要旨]
  • *釜江陽一(環境研)・渡部雅浩・木本昌秀・塩竈秀夫
  • 2013年夏のアジアモンスーン活動と大気循環場の特徴 [スライド] [講演要旨]
  • *齋藤仁美(気象庁 気候情報課)・田中昌太郎・大野浩史・竹村和人
  • 2013年夏の日本の極端な天候に関連する大気循環場について [スライド] [講演要旨]
  • *大野浩史・田中昌太郎・齋藤仁美・竹村和人
  • 台風の遠隔影響と北半球夏季の熱帯季節内変動との関係 [スライド] [講演要旨]
  • *平田英隆(九大 理)・川村隆一
  • 台風のロスビー波応答による水蒸気の長距離輸送-JRA-55を用いた水蒸気起源解析- [スライド] [講演要旨]
  • *工藤督右(九大 理)・川村隆一・平田英隆・一柳錦平・田上雅浩
  • 夏季の東アジア・太平洋域のロスビー砕波と水蒸気輸送,降水 [スライド] [講演要旨]
  • *堀之内武(北大 地球環境)
  • 2010年7月のロシアブロッキングにおける移動性擾乱の寄与 [スライド] [講演要旨]
  • *山崎哲(海洋機構 地球シミュレータセンター)・伊藤久徳・直江寛明

18:00〜20:00 懇親会(レストランきはだ)

10/22 AM

10:00〜11:15 セッション5「データ同化」(座長: 松枝未遠)

  • 「ビッグデータ同化」によるゲリラ豪雨予測の構想 [スライド] [講演要旨]
  • *三好建正(理研 計算機構)・別所康太郎・瀬古弘・富田浩文・佐藤晋介・牛尾知雄・石川裕
  • Dual Localization法における局所化パラメータ敏感性の調査に関する研究 [スライド] [講演要旨]
  • *近藤圭一(理研 計算機構)・三好建正・田中博
  • ベイズ推定を用いた低次元モデルによる動的マルチモデルEnKF同化実験 [スライド] [講演要旨]
  • *大塚成徳(理研 計算機構)・三好建正
  • アンサンブルデータ同化を用いた気象庁全球データ同化システムの高度化に向けた開発 [スライド] [講演要旨]
  • *太田洋一郎(気象庁 数値予報課)
  • 気象庁55年長期再解析(JRA-55)の初期評価結果について [スライド] [講演要旨]
  • *原田やよい(気象庁 気候情報課)・古林慎哉・太田行哉・小野田浩克・大野木和敏